忘れていた入浴剤

ふじのおやまのヒデ

2010年11月24日 00:01



もうかなり前になります。私が未だ借家住いをしていた頃だと記憶しています。この入浴剤を何かのお返しという事で貰いました。貰ったのは良いけど勿体なくてこの入浴剤を使うのはためらわれました。その頃はまだ我家の中でのイベントとして「ざぶ~んの日」というのがあった時期でした。全く金がないので遊びにも行く事が出来ず、只ひたすらに三交替勤務でガンガン仕事をいていた頃でした。その頃は本当に喰うに困るような毎日の中でしたので遊びに行くというような気持にもなれませんでした。それでもそれ程自分の中で沸騰する気持もありませんでした。何故なら働きたくても働けなかった時代もあったので働ける喜びが心を包んでいた頃でしたのでとにかく夢中で働いていました。だからそれだけでも結構満足出来ていました。

そんな私の月に1度の楽しみといえば浴槽に目一杯お湯を溜めて、そのままざぶ~ん!と入る事でした。そんな暮らしが確か4年か5年くらい続いたと思います。その当時もう1つ忘れないのが蛇口からお湯が出てくるというので本当に嬉しかった事を思い出します。その意味では蛇口からお湯が出るような暮らしは子供頃の理想の生活だとその時は思いました。今でもその感覚は
残っています。洗い物をしている時には本当に有難いと今でもそう思います。

そんな暮らしの中でこの入浴剤を使うのはどこか身分不相応な気がして気が引けるものがありました。そんな事を思った中でこの入浴剤も忘れてしまって私は借家から今の家に引っ越してきたのですっかりこの入浴剤の存在そのものを忘れていました。今日脱衣場の掃除をしている際にこの入浴剤が出てきました。あの頃とはかなり生活も変わって生活スタイルも、考え方も全て違っています。時が流れたと思いました。それと同時にその当時の事が走馬灯のように流れたので金はなかったけど楽しい思い出が繋がって流れたので余計時の流れを感じずにはいられませんでした。今度は出て来たこの入浴剤を使おうと思います。本当に身も心も温まる入浴剤になりそうです。感謝です。